もしもフリーランスになったら

持て余す時間

本番立会いをしている時間は、待ち時間が長い。
トラブルが少ないという、非常に嬉しい状態だからなんだけれども、かなり時間を持て余したので、ちょっと計算してみた。もしもフリーランスになったら、どのくらいの収入になるのか?
フリーランスでガンガン儲けたら、10年くらいで引退、隠居できるもんか、ちょっと考えてみよう、という企画でございます。

あんまり生々しいのはなんだから

実際の私は、そろそろあらふぉーな感じで、嫁さんも子供もいたりするのだけれど、あまり生々しいと計算をする気力すら薄れるので、ちょっと設定を変えてみようかな、と。
今回は独身で、光熱費こみ10万円くらいのアパートに住み、月100万くらいの単価はキープできるのだけれど、稼動率は8割程度で、年間1000万くらいの売上を上げれる実力を持っている・・・そんな人間でれっつ計算!!

まず、収入ね

フリーランスには、消費税を払わない、みたいな無茶を言うベンダーもあったけれども、これはベンダー側が脱税することになるので、消費税は払ってくれる、と、まず仮定。というか、払わない、と言い出したら、「消費税を脱税してますよね〜」と、脅しをくれて、Getする、という戦略をとったとする。
で、消費税は売上1000万以上は基本納税業者になるのだけれど、売上高5000万以下は簡易課税を選択可能。
基本的に、消費税というのは、もらった消費税から仕入れに払った消費税を引いた額を納税するんだけれども、簡易課税というのは、そんなの面倒だから、適当にもらった消費税の何割かを引いてしまえ!!という制度なんですな、簡単に言うと。で、情報システムサービスは、どうも50%の簡易課税を適用できるような感じ。
体が資本のフリーランス、支払う消費税なんてないのも一緒なんだけれども、簡易課税を適用すると、合法的に50%の消費税を「脱税」できる。
ということで、1000万の売上に対して、消費税が50万円。税務署に収める消費税が25万円で、収入は1025万ってことになる。

税金以外の概算支出

で、税金以外の支出を計算してみる。毎月かかるものは、大体こんな感じ。

  • 家賃+光熱費10万円
  • 携帯電話や、モバイル通信1万円
  • 交通費1.5万円
  • 生活費20万円(ちょっと贅沢)
  • 接待月2万円

社会保険系は以下。

しめて、一ヶ月だいたい48万円、という感じになる。
パソコンを買ったり、備品を買ったりに、年間20万円強の支出を見込むと、ぴったり600万円ですね、これ。
これに、税金の支出が入ってくる感じである。

税金の計算 会社分

一応、会社を作ったことにして、会社から自分へ給料を払う、という形式をとることにする。これをしないと、給与所得控除が受けれないので、相当激しい税金を取られることになるんですな、これ。
で、会社にかかる税金よりも、個人にかかる税金のほうが、税率は小さい。1000万くらいなら、圧倒的に小さいので、会社には、帳簿上、ほとんどお金が残らないように、給与設定をしてみる。
会社の所得は、会社の収入から費用を引いたもの。上の支出のうち、費用化できるものは・・・

  • 家賃+光熱費10万円のうち、5万円 会社使用割合5割って感じ
  • 通信費。携帯電話、モバイル通信は、1万円丸ごと経費
  • 会議費 接待用の2万円
  • 交通費 1.5万円
  • 備品 年間20万円

以上、年間114万円相当。これに、青色申告控除の50万円を加えて、159万円が、会社としての経費扱いにできそうな金額だ。
ということは、給料にできる金額は、840万。これを、全額給料にすれば、会社自体にかかる税金は、基本ゼロだ。*2

税金の計算 自分の分

で、自分の分の税金。給与から、控除できる費用をどんどん引いていき、残った金額に、税率をかける感じだ。
まず、給与840万から給与所得控除を引く。サラリーマンのみなし経費、と、言われているものだけれども、これが結構な金額になる。840万だと、204万円になる。*3
あと、控除できるのは、無条件につく基礎控除38万円、国民年金+健康保険の12か月分78万円。小規模企業共済84万円。そうすると、税金がかかる元になる金額である所得は、436万円になる。
この金額だと、所得税は、所得x0.2-42万7千5百円*4だから、44万4千5百円。
住民税は、昨今10%になった*5ので、43万6千円で、あわせると、まあ88万円なのであった。

結局手元にはいくら残る?

現金で残るのは、1025万円から、税金分88万円と、言葉は悪いが、本当に支払った600万円だから、337万円。小規模企業共済への支払は、まあいつでも請求できるので、まんま貯金と思えば、だいたい1年間で420万円相当の貯蓄ができる、と、こんな結果が出た。
てことは、会社辞めて、フリーランスで10年やると、10年後の貯蓄予定は4200万。あれ?結婚してマンション買っちゃったら終り?
10年で引退ってわけには、やっぱりいきませんなあ、こりゃ。

*1:退職金の積み立てイメージ。節税最終兵器。http://www.smrj.go.jp/skyosai/参照

*2:法人税、法人住民税のの均等割り部分は一旦考慮から外します。あしからず・・・

*3:http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1410.htm参照のこと

*4:http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htmに、税率表あり

*5:所得税が少なくなった分、住民税が5%から10%になった