ぐぐ・・・8月に・・・

うーん、忙しさにかまけて、やっぱり7月はあんまり更新できなかったわけである。8月も仕事が軽くなるわけではなく、なんだか悲しい感じである。まあ、そうは言ってもひとつだけ・・・

ワーキングプアな感じである

NHKワーキングプア、かなり盛り上がっているようである。
番組は見ていないのだが、以下のサイトできれいにまとめてもらっているので、それを読んでみたのであった。
ttp://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/workingpoor.html
うーん、考え込んでしまった。

じゃあ、小泉改革がなかったら?

まあ、小泉改革によって、地方への公共事業という「所得の配分政策」は、確かになくなった。ただ、社会保障費関連については、小泉改革があろうがなかろうが、財政悪化の影響で削られていたのは間違いない。ついでに言えば、財政悪化の影響の多くを占めているのは、「所得配分政策」に使われた、膨大な赤字国債によるものである、という側面もやっぱりある。
「もし」、を、話すと後だしジャンケンだけれども、小泉改革がなく、諸外国よりも大きな企業への実行課税率がそのままであったなら。今生き残っている企業であっても、国際競争力の低下から、現在よりもより小さな雇用しか生み出さず、より多くの「ワーキングプア」を生み出していたのではないか、と、私は思う。
まあ、細かい話をすれば、企業利益と家計所得というグラフ。これは、絶対額では圧倒的に大きい家計所得より上に、その10分の1以下の規模の企業所得をプロットするという、ちょっとなあ・・・というグラフだし、最後に引用されている日経新聞の実行税負担率は、バブル処理で膨らんだ税効果会計の影響についてはコメントしていないし、正直フェアじゃないと思う。
負の側面だけを取り上げるのは簡単だが、小泉改革っていうのは、より大きな災難を回避したんじゃないか・・・なーんて書くと、上記のサイトでボロカスに攻撃されている村尾さんと一緒にされちゃうかねえ。

一方で、確実に人不足なんですよ

で、人不足も、完全に現実のものとして迫っている。
私なんかがいるIT業界は、典型的な労働集約型産業だったりするので、その影響はひしひしと感じる。もう、ぜんぜん人が集まらない。ウチの会社なんて、同じ人間がもう4年も最年少。なんとかしなきゃ、と思うのに、人があつまらない。
とまあ、こうなると、そもそも「所得の再配分」システムについてうんぬんするよりも、教育をどのように受けてもらうのか、というほうが、大きな問題のように思うのである。
子供には、(不十分とは思うが)奨学金制度がある。制度として弱い、欠けているな、と、思う部分は、やはり社会に出てからの再教育の機会なんじゃないか、なんて思うのである。
例えば、西成にできた日雇いのかた向けの施設なんていうのは、相部屋ながら一応「現住所」が確保できる家になっていて、面接用のスーツも貸し出してくれるようになっている。その上でもっと多様な「技能」を身につける場所を確保する、という方向が、小泉改革の是非云々よりも重要な話のように思う。

最後に所得の再配分について

前回のエントリのコメント欄で、arnさんと税金の話をしているわけなのだが、まあ、こっちの話に絡めて、所得の再配分について考えると、やっぱり相続税を高くして、「財産は一代限りのつかいきり!!」にしてしまうのがいいように思う。資産税の累進化もいいなあ、と思っていたのだが、投資の抑制につながる、というご指摘はごもっとも。正直私には欠けていた視点なので、相続税を高くしましょう、に意見を切り替えてみるのであった。
そういう意味では、企業への税負担増に噛み付くよりも、階級の固定化を発展させる、相続税の減税のほうが、より大きな問題で噛み付きポイントだと思うのだが、目立たないせいか、あんまり問題視している記事を見た覚えがない・・・
基本的には、小泉改革に賛成の私だが、この点は「なに考えてんのじゃ!!」と、言いたくなるのであった。