フェーズわけってなぜやるの?

売上までの手順

営業活動のフェーズわけっていうのは、結局のところ売上までの一般的な手順ってことになる。そういう意味では、システムの導入方法論に似ている。
確かに、システムの導入方法論よりは不確実性がさらに高くって、「失注」なんてイベントもあるから、かちっとこれをやっていれば、売ることができます、っていう性格のものではないけれども、ないよりはマシ。踏むべきステップがわかっているのとわかっていないのとでは、やり方も随分違う。
そして、それを「記録」することも、結構な力になる。他の営業さんで、同じような状況のときどうだったのか?まあ、「データとして検索できます」って事自体に、実効性のないことは十分知っている。データとして検索できる情報は、いまのところ無機質で、それを参考にどうこうできるような代物ではないと、私も思うんだが、しかしながら、「誰」という人物くらいは特定できて、直接電話してみるだとか、会ってみるだとか、そういうことは十分にできるんじゃないかと思うわけなのである。
大前提として、そういう開けた雰囲気というか、いろんな話を営業さん同士ででいる土壌があることが必要なわけなので、こいつが一番大変なのだが・・・

やっぱり管理するおっさん向けの話もあり

営業活動のフェーズわけをし、それをシステムに入力してもらうことで、誰が一番楽か、というと、やっぱりそれは課長さんだとか部長さんだったりするのである。
課長さん部長さんレベルは、やっぱり全体の売上高ってヤツに責任を持っているものである。ところが、このフェーズわけのない状態だと、課長さん部長さんが、営業担当さんに言うことは、
「がんばれ!!」
だけになってしまうのだ。
それに比べれば、見込みのある案件がどのフェーズにどの程度あるのか、ということが見えると、話が随分違う。モノになりそうな案件が複数あるときには、そこに重点をおき、場合によっては
「一押しが足らないなら、一緒に行ってやろうか」
くらいのことは言えるようになる*1
また、今は調子がいいが、見込み案件が減っている場合もある。そのような場合は、見込み案件の増加を課や部の方針にしてもいい。つまり、「今月の売上」だけではなく、来月以降の売上見込みについて、ある程度前から手が打てる、というのが大きなところだ。なんか、「パイプライン管理」なんて名前がついているのが、一人ひとりの案件ごとのステータスをはかり、今後の売上見込み、行動計画に役立てましょう、というネタである。
で、行動計画までブレイクダウンできると、システムとしては、案件にぶらさげる形で活動を登録し、その計画が実行されたかを見る、というわけである。
たとえば、全社的に「これを押す!!」という製品があったとしよう。
これが本当に営業さんが「押した」のかどうかを、売上の段階までわからない、というのではお話にならなかったりする。せっかく作った販促ツールも使われない、なんてのは目もあてられない。ということで、フェーズごとの活動に、販促ツールを使用したプレゼンだとか、そんなのを入れておく。んでもって、その活動自体にもボーナスのようなものを仕込んでおいて、営業さんのインセンティブにする・・・なんてのが、狙いだったりする。

最後は人だけれど・・・

システム入れたら売上高向上!!なんてアホなことを言うつもりはさらさらない。やっぱり営業さんは、最後には人だとは思う。ウチの営業さんにつかまり、飲むハメになるとず〜〜〜〜〜〜とその話をされる。
まあ、けど、最後には人だ、というのは正しい。正しいんだけど、「最後」に行きやすくする仕掛けは必要で、そいつがフェーズ管理ってやつで、それをサポートするシステムがCRMなのだ、と、まとめておこう。
それでも、本当に売上上げるまではしんどいけどね。ではまた。

*1:逆効果のときもあるけれど・・・