新年のごあいさつ的なもの

大不況的な世の中ですが

またしても3ヶ月弱更新もせず、ほったらかしだったこのブログ。今年もぼちぼち続けていこうかな、と、思う次第である。
まあ、昨今の大不況、この業界も例外ではなく、プロジェクトの凍結、延期がかなり発生している模様で、あっという間に人あまり状態。
しかしながら、前回2003年前後の不況期を下敷きに考えると、もう少しすると世間的に、業界再編とか不採算部門の切り離し&売却なんて話題が増えるようになり、さらにもう半年ぐらいすると、統合効果を出すためのIT統合、なんてお題目が出てきて、結果として規模としては小さな仕事が連射で発生するようになるんじゃないかな〜なんて思う。
その後、業界の人員の何割かを吸い込むような、でっかいプロジェクト、大規模SIが発生するかどうか、というのは、そのとき景気がどうなっているか、つまり、日本って国がどうなんだろう、という話になるわけで。まあ、その点については、この前の参議院選挙の段階から私は10年ダメ、という結論を出していて、やっとこさ2年経過しただけだから、まあ、そんなイベントはまだまだ、ことによると、二度と起きないんだろうな、というのが、見立てである。

大規模SIがない時代

まあ、そう考えると、大規模SIを主力にやってるところって、結構苦しいんじゃないかと思うわけである。
大規模SIって、参加している個人のレベルで見ると、スキルの「幅」を上げるのは難しい。それはどうしても事実としてある。じゃあなんのスキルが上がるかっていうと、「量」をこなすスキルが磨かれる。つまり、作業を標準化して、誰でもできるようにして、それを並列で一気にやる。そいうマネジメントスキルが磨かれるわけだ。
ところが、その「量」をこなすために、「誰にでもできる」「標準化された作業」を「人員」としてこなすために参画した人々ってのは、どうなんだろうと。同じような仕事の「量」がどっとあるから、テストばっかり半年やってました、とか、コーディングだけ半年やってました、とか、やっぱりそうなってしまう。それに、チームの分業化が進むから、ほかのチームがやっていることに無関心になる。無関心になったほうが、自分の仕事が少なくて済む、そういう環境にどうしてもなってしまうわけで、少なくとも、スキルの「幅」なんてのは、なかなか広がらないわけである。
そういう「人員」を大量に抱えている大規模SI主力ベンダーってのは、「規模としては小さな仕事が連射で発生する」環境に、どう適応していくんだ?というのは、まあ、難しいんじゃないか、なんて思う。
小さな仕事っては、とにかくいろんなことを自分でやらなければならない。「量」ではなく、「幅」が重要になってくる世界。そうなると、スキルの幅は小さいけど、量をこなせる人、ってのは、めちゃめちゃその能力に長けていて、大規模SIにおいては超エースであったとしても、その環境には適用できない可能性は、やっぱり大きいわけですよ。
エースですらそうなんだから、言い方は悪いが、ただの「人員」にいたっては・・・

じゃあ「強い」のは誰?

実装面からみても、昨今はやりのSOAだとかSaaSだとか、こいつらの考え方も、でかいの一発、って感じではなくて、小さいのを連射でやって、それをつなげましょうという考え方。やっぱり小さい仕事がベースになる。
そうなると、今まで大規模SIを行うべく、量が勝負の「人員」確保をどんどんやっていた大規模SI主力ベンダーはどうなってしまうのか・・・端的に言うと、「人員」が「不良債権化」し、生き残りはかなり難しくなるんじゃないか・・・そして、昨今の派遣切りパッシングの流れを見ると、その「不良債権化」した「人員」をクビにするのはどんどん難しくなっていくわけで、そうなると、不良債権化した人員ごと倒産、なんてのも、冗談じゃない世界がやってくるんじゃないか、と、思う。本気で。おーこわ。
その見立てが正しいのであれば、量をこなすよりも幅をこなせる人を多く持っているところが有利。そういうところっていうのは、現在は規模としては小さいところで、究極的にはフリーランサーであってもいいんじゃないか、なんて思うわけである。
ということで、実は1月からフリーランスに戻ってみた。バカだの周りをちゃんと見ろだの、だいぶ言われたんだけれど、私にはこれが最適解に思えてしかたがなかったりする。
まあ、上で書いたような見立てがはずれれば悲しいんだが、「不況だから大企業が安心」ってのが、どうもなっとくいかないんですよね〜実際。
ちなみに、法人も作ったので、「社長」の肩書きの名刺も作ってみた。しかし、こちらの名刺は、主にキャバクラ用で、メインの名刺は相変わらず「シニアコンサルタント」のまんまだったりする。そのほうが自分を正しく表していると思うわけである。