人治の国・・・ホリエモンのお話

正直に言うと、私はホリエモンの突破主義的なところが大好きだ。
だから、多少擁護するような一面もあるのだが・・・
どうも、今回の罪状はよくわからない。


新聞を読み解くに、罪状は二つのようである。
風説の流布
粉飾決算
しかし、どうも両方とも明確な犯罪になっているか、
という言えば、結構怪しいのではないだろうか・・・


まず、ライブドアマーケティング
基本的には、ウソついて株を上げて売り抜けた、
という論旨のようである。
で、そのウソをついて、の部分がどこか、というと、
マネーライフという会社をライブドアが既に買っていたのに、
あたかもライブドアマーケティング(当時はバリュークリック)が
株式交換で手に入れたように見せかけた、
という部分である。


さてさて。
じゃあ、どう書けば「風説の流布」にあたらない
発表文になるのだ?
ライブドアの関連会社から>の、一文が入るだけでねーの?
で、その前後でニュースバリューは大きく変わるの?
これが「風説の流布」なのかい??


100分割して吊り上げて売った、なんてのは、
確かになんじゃそりゃ、という話ではあるが、
それは、分割後の株式を受け取るまでに時間がかかる、
という制度不備が原因で、
その制度不備を突くこと自体は違法ではないわけである。
制度不備を突くことが、「法の精神に反する」から
「違法だ」なんて論法もテレビでは聞くが、
その論理なら、タンス株持込のみなし取得価格を悪用し、
去年一昨年と、1円株で架空損失を出して、
株の売買益を隠した連中は、全員刑事訴追モノじゃないのか?


もうひとつ、粉飾決算
これは、
「ありもしない取引を装って、グループ会社間で
利益の融通をしていた」
という容疑のようだ。


しかし、そもそもサービスの単価、ってやつは、決めるのが難しい。
私が生業にしている「SAPコンサルタント」も、
部外者から見れば、何やっているのかわからないのに、
金をふんだくっていく連中ってことになりえるわけだ。
そうなると、「手数料」(おそらく、経営指導料かなんかの名目だと思う)で、
子会社から金を移転させた、っていうこと自体に
違法性を求めるのは、ちょっと苦しいんじゃないだろうか?
そもそも、税金を最小化するために、グループ内仕切り価格を設定する、
なんてのは、どこでもやってるわけで、
それが「粉飾」なら、ほとんどの会社は、粉飾決算やってるわけである。
だからこそ、「連結財務諸表」で、「グループとしての」
財務状況を把握する仕掛けがあるだ。


こうやってみると、要するに「やりすぎ」が容疑であり、
逮捕の理由であるように私には見える。
そして、「やりすぎ」かどうかは、
結局人が決めることであり、
そうなると、「法治」ではなく「人治」である。


なんともはや、日本はかの悪名高き中国と同様、
人治の国だったわけである。