ERPの市場予測

今日は、こちらの記事を題材に。


[ThinkIT] 第2回:2004年のERP市場のインパクト (1/4)


矢野研は、ERP市場分析の実質的な権威であり、
そこの方が書いている記事で、基本的にはERPパッケージばんざい、
外国製ERP大好き、の立場で書かれている。


中身は、ERP市場というものが、2004年度は初めて縮小した、
という記事と、その統計データの分析である。
ERPパッケージの導入率のデータがあり、
導入率は20%以下、ということになっている。
特に、生産管理を初めとするロジスティクス系は、
かーなり低い導入率になっている。
正直、こんなに低いと思っていなかったので、びっくりしてしまった。


さて、記事では、ビッグバン型の導入は今後メインになることはない、
という趣旨の文章が続いている。
しかし、私の予想はちょっと違う。
2004年度は一時的に縮小したERP市場は、再度拡大する。
そして、ビッグバン型の導入が、再度増えてくるのではないかと思うのである。
団塊の世代の退職がこれから加速すること、
そして、新会社法の施行が間近に迫っていること、
これが、私の予想の根拠になっている。


こんなことを言っては申し訳ないのだが、
ロジスティクス系の導入をするにあたって何が大変かって、
定年間近の皆さんが現場で仁王立ちしていて、
「俺はパソコンなんぞわからんのじゃあ!!」
と、おっしゃっていらっしゃる状態が一番大変だったりするのである。
タダですら人にやさしくないR/3の標準画面、
見せた瞬間に、絶句&拒否なのである。
このような状態の解消が、今後進んでいくことが期待できる。
まあ、ちょっと難しい言葉でいうと、ITリテラシーの低い層が
相対的に少なくなる、というヤツである。


団塊の世代の退職が、導入にあたっての障害が少なくなる、
という観点であったのに対して、新会社法の施行は、
積極的にERPパッケージを使おう、という動機に成り得る、
という観点である。


純粋持ち株会社が解禁され、グループ会社経営の自由度が、
いままでより数段高まった際、
SAP R/3を初めとするERPパッケージの、
第二期バブルがやってきたのは、記憶に新しい。*1
会社の切り出し、合併、グループ資金管理という要件が、
その導入を後押ししたわけである。
で、今回の新会社法の施行。
企業のM&Aがより活発になることは間違いないところであろう。
そうなると、ある程度違うビジネスモデルの会社を買ったときにも、
ある程度のカスタマイズでなんとか情報システムが動いてしまう、
ERPパッケージの採用が進むのは、そんなに突拍子もない話ではあるまい。
そして、そのメリットを最大限に出すためには、
ERPパッケージは、ロジスティクスも含めた導入、
つまり、ビッグバン型での導入が必要になるのではないかと思うのである。


まあ、自分がやっている仕事がしばらく安泰だ、
と、思いたくなるのは人のサガってやつなので、
多分に楽観が入っているのは否定しないが・・・
ただ、2004年度で、ビッグバン型が少なくなったからって、
無条件にこれからもそうだ、っていうのは、
ちょっと違うんでないかい?と、思ったのであった。

*1:ちなみに第一期は2000年問題