ダイジェスト 内部統制 その4

うーん、今日は郵政民営化法案否決の話のほうが
時事性はあるような気がするが、
かといって、何か書いたところで、選挙では自民党は負け、
郵政関連6法案はきっと廃案になって、
あのプロジェクトに入っている人の何割かが
市場に出てくる、という事実に変化があるとは思えない。
個人的には、民営化して何が悪いんだか理解できないのだが・・・


ということで、今回は6つの視点(基本要素)

  • 統制環境
  • リスクの評価と対応
  • 統制活動
  • 情報と伝達
  • モニタリング(監視活動)
  • IT(情報技術)

のうち、情報と伝達からである。


この「情報と伝達」ってやつも、なんかこう、私にはふうむ、
と、なるネタのひとつである。
財務報告の信頼性、という観点からは、結構簡単といえば簡単で、
よーするに、きちんと財務諸表を作るってことが
できてるかどうかを見ましょうね、ということである。


まあ、例えば、在庫の残高が財務諸表に現れていれば、
その元となる、在庫の受払表やら棚卸表やらがでてくるようになっていたり、
固定資産はちゃんと番号管理していて、
現物との対応ができる、なんてことが、「情報」という観点で、
その情報が正しいことを経理の人が確認し、
経営者に報告し、経営者がOKを出したら、公示する、
というプロセスが、「伝達」というわけである。


まあ、このあたりの仕掛けは、普通の会社なら、
その精度とスピードに違いはあるが、やってる話である。
そもそも、やってなければ、こわーい税務署の皆さんが
黙っていないわけで、何をいまさら系のお話ではある。


ただ、「財務報告」という観点から離れて、
業務の有効性だとか、その観点での「情報と伝達」という話になると、
そう単純な話ではなくなる。


いまさら私が書く必要もないかもしれないが、
業務効率の悪化や、コンプライアンスが守られていない状態での
決まり文句は、「俺は聞いていない」なのである。
で、そもそもこうなる原因というのは、
社内に隠さなければならない情報がある、
という錯覚からもたらされるのではないか、と、思うわけである。


確かに個人情報の流出は困る。
しかし、実は、他の部署に知られては困る、だとか、
余計な口をはさんでほしくないから公開しない、だとか、
そんな理屈のほうが圧倒的に多いわけである。
実際、業務連動のボーナス支給額決定になっているのに、
自分が所属している部門のP/Lの開示をしていない、
という、どう考えたって、なんじゃそりゃ、という話を結構聞くのである。
基本は、全面開示。それが手っ取り早いのだ。


あともうひとつ。
ITのおかげで、「伝達」に関するコストは、圧倒的に低くなった。
サイボウズなんて、社内の「掲示板」にファイルをUploadすれば、
自動的に、関連する人のポータルに、その更新情報が「新着」としてUpされる。
あとは、「発信」をするインセンティブなり、「強制」なりを、
どうプロセスに組み込むか、そこが知恵の絞りどころである。


例えば、開発ドキュメントの共有化を叫ぶだけでは、
サーバは空っぽのまんまである。
そこで、「サーバーのファイルに、承認したことを上長が書き込む」
というルールと、先のサイボウズの仕組みを組み合わせる。
承認をもらうために、サイボウズにファイルがUpされ、
Upされたら上長にはすぐに知らされ、それを承認できるわけである。
で、作業者は、「承認されたかな〜」と、フォルダを覗くついでに、
「お、こいつのはどうなってるんだ?」と、別のファイルを開く。
こうして、開発ドキュメントの共有化が進んでいくわけである。


「情報と伝達」には、「全部見れる」を原則に、「発信」のための仕掛け作りをしましょう、
というのが、今回の結び。
結びは面白くなかったなあ・・・