たこふじ第二章 設備部門の業務

資金繰りの話に続いて、設備部門の業務について、話をするのである。


設備部門の皆様の仕事というのは、
結構総務部に似ている。
ただ、総務部が、オフィスの机だとか電話だとか、
本社での労働環境整備を考える部門なのに対して、
設備部門は、モノを生産するにあたっての機械、設備など、
生産を行う環境整備に関することを考える部門なのである。
この観点で、先にたこふじにおいては、本社ビルがあるわけではないので、
総務部は設備部門が兼ねる、というような組織設定にしたわけである。


さて、設備部門は何をやるのか。
まず、工場立ち上げのときに、大活躍をしてもらうことになる。


工場のレイアウトを作製し、設置する設備を考える。
もちろんこのときは、作業者の動線、材料などの動線を考え、
効果的なレイアウトを考えるわけである。
そして、設置する設備や、工事をしてもらう業者の選定を行う。
当然デカい買い物になるので、複数の業者から見積を出してもらい、
機械に関しては、生産能力を確保できるか、もしくは
オーバースペックではないか、という点をきちんと評価する。
ちなみに、たこふじにおいては、最終的な決裁は、オーナーたる
私が行うわけである。


このプロセスは、通常の原材料の購買とは、業務の内容が違う分野である。
見積を何回か行い、発注を確定させるという行為と、
それに対する承認の行為が必ず発生する。
ということで、この業務を支援するシステム要件としては、
発注金額に基づき、承認先を変える、などの、ワークフローの機能や、
見積書自体を保存し、閲覧可能にするドキュメント管理などが
必要になってくるわけである。
ちなみに、R/3単体では、このあたりの機能要件を
フルに満たそうとすることは少ない。
ワークフロー・ドキュメント管理とも機能としてはあるのだが、
大抵、NotesだとかExchangeだとか、グループウェアは別途導入済みの企業が多く、
その機能を使うほうがいい、という結論になることが多いのだ。


さて工事が始まる。
工事の進捗状況や、その品質について、業者を管理・監督するのは、
設備部門の役割である。
搬入された機械が想定されたスペックが出ない、
なんていうトラブルがないように、
搬入・設置・テスト起動に立ち会うわけである。
晴れて全部の設備が入り、生産可能になると、
設備部門としてはひと段落。祝杯をあげるわけである。


工事が進捗するにつれ、支払金額も確定していく。
通常、機械は納入基準(テスト機能まで完了したとき)で、
工事は契約に基づき、未払い金を計上する。
このときの相手勘定は、「建設仮勘定」である。
完成時には、これが「固定資産」として、会計上認識されるわけである。
ちなみに、建設仮勘定は、固定資産として計上されるもの以外に、
経費支弁という費用になる金額も含んでいる。
どの「行為」が経費支弁として認識できるか、は、
なにやら取り決めがあるらしいのだが、
わたしは詳しくはしらない。


建設工事においても、システム構築と同じく、トラブルはつきものである。
予想外の支出も出てくるであろう。
そのような支出に対して、予算との見合いを確認する必要もある。
工事の区切りごと、もしくは、工事する対象ブロックごとに、
予算を作成しておき、それに対する実績の費用発生を
モニタリングするのである。


このような用途に、R/3はプロジェクト管理というモジュールが用意されている。
プロジェクトというハコに、発注データ(未確定債務として認識)
入庫データ(実績発生額として認識)を紐付け、
予算が超過していないか、などのチェックを行うのである。


結構設備部門の話は思いのほか長くなった。
この話は次回に続くのである。