たこふじ第二章 CMSの話

久しく更新を途絶えさせていたたこふじシリーズ、
実は、自分の構想と現実とのギャップがあったため、
どうしようか悩んでいたため、というのが理由だったりする。


構想では、FCと本部jとの資金繰りについて、
本部一括で管理し、金利負担を軽くしよう、
てな話をする予定だったのだが、
よく考えると、グループ会社ではなく、
FCでこれをやるのは、現実的にはないなあ、
ということに思い至り、どうしようか、と、
悩んでいたわけである。


まあ、悩んでも仕方ないので、たこふじからちょっと離れて、
一般論として記述してみようかなあ、というところである。
お題は、グループ会社経営と資金繰りである。


背景は、会社法の改正により、純粋持ち株会社が認められ、
グループ全体での会社経営というものが、
より柔軟にできるようになったことがある。
これにより、今まで一つの会社だったものを切り離し、
個別の会社としてやっていきましょう、という動きが盛んになった。
そして、本社が一括で行うサービスと、
各社が行う部分を切り分けましょう、という話は、
FC同様に存在するわけである。


その中で、グループ全体で、資金管理をしましょう、
というアプローチがある。
まず、グループ会社Aとグループ会社Bを考える。
グループ会社Aは、支払を行う際に、手持ちの現金が少なくなった。
この場合、普通は銀行から運転資金という名目でお金を借りて、
支払いをするわけである。(短期借入金としてB/Sにあがる)
ところが、方やグループ会社Bは、手持ちの現金がたくさんある。
それなら、銀行から借りずに、B社から借りたほうが、
グループ外に出る金利が少なくなるからいいんじゃないの、
というお話である。


例えば、小売をやっている会社がBで、卸をやっている会社がAとする。
卸は、どかんと仕入れて、すこしずつ小売に卸していくわけだから、
最初にお金がいるわけである。
逆に、小売は、都度お客様からお金をもらって、月末に卸にお金を払う。
月中はお金がだぶついている状態とういことになる。
このように、業態によって、手持ち現金の状態というのは違うわけで、
うまくやれば、金利は少なくてすむよね、という、
上記のようなアイデアがでてくるわけである。


そのようなニーズは、銀行側も当然つかまえにかかっている。
キャッシュ・マネジメント・システムというヤツである。
仕掛けは、各グループ会社の手持ち資金(現行口座残高)を、
支払い予定に基づいて、一定レベルに保つように、
本社から貸付、もしくは本社に資金を回収という操作を
自動でやってくれるというものである。
で、本社自体には、銀行から運転資金を貸し出す、というわけである。


これを実現するためには、当然グループ会社の支払予定、入金予定が
データとして集中的に管理されていなければならない。
それを実現するために、非常に相性のいいシステムが、
複数会社コードを制御できるERPパッケージ、R/3だとかOracleだとか・・・なのである。
各会社に会計システムがあった場合、キャッシュ・マネジメント・システムとは、
その会社ごとにI/Fをとらねばならないが、
複数会社を制御するERPならば、まとめて連携できるわけである。


一つの会社を分割して、グループでやっていきましょう、
というやり方は、経営層の育成という観点からも有効なため、
ある程度の会社規模になれば、グループ会社化しましょう、
という動きは根強い。
ERPが世の中に受け入れられている理由の一つは、これであろうと思う。