提案活動にて

うーむ、提案活動一回目は、見事失注なのである。
なんともかんとも、むなしい感じである。
提案期間が短くて、結局信用してもらえなかった、というのが
営業さんがユーザから聞いてきた失注理由である。


まあ、提案期間は実質1週間。
アウトだったベンダーのリリーフで、大急ぎで作ったものだった。
提案自体は、手前味噌ながら、かなり練ったモノが出来上がったと思う。
しかし、確かに冷静になってみれば、1週間なんてそんな付き合いの短いところに、
何億というお金を出して、システム構築をしてもらおう、
なんて、ユーザ側が思うわけがない。
そこを最終候補まで残ったのだから、充分じゃないか・・・
「理性的」な私はそう言っているのだが、本音の私は、
衝動を抑え切れなかったりする。


じゃあ、RFPを出してベンダーを選定する、とういプロセス自体は
一体なんなのか、ということである。
「信用」が決め手なら、んなもんする必要はないではないか。
そりゃ、他の部分が同等で、最後に信用が決め手になりました、
という話ならわかるが、機能的にも提案としても、こちらのほうが優れている、
ということを認めながら、最後に「信用」を理由にさよならってのは、
一体どういう了見なんだ?てな話である。


自分で書いていても、なんとも青臭い話である。
そんなことはよくあることだ。
またしても「理性的」な私が、そうささやいてくる。
しかし、やはり、その声に賛成できない自分がいる。
確かに当たり前のことだが、それを当たり前と認めてしまった瞬間に、
進歩もへったくれもないではないか。


もうちょっと冷静に分析すると、RFPというものが日本に根付くのは、
もう少し先ということなのだろう。
理論では、事前に判断基準を確立しておき、それをもとに、ベンダーの
提案を採点することになっている。
しかし、理論を実践するのは人間であり、人間が判断を下す以上、
感情がそこに入るのは当然である。
そこで一番大きな感情は、「失敗したくない」「失敗しても言い訳ができるように」
という感情であり、それが一言でいうと、「信用」なのだろう。


では、信用はどうやって獲得すればいいのだろうか?
当たり前だが、「営業」という活動を通じた、担当対担当、ひいては、
会社対会社の「信頼」関係の熟成ということが必要になるわけである。
そこになると、「協力会社」として、「提案活動のサポート」をしている
自分の限界が見えてくる。
「短期の契約」で動いている私が、「長期的な信頼の熟成」を実現できるわけがない。


なるほど、自分の憤りの本質がわかった。
自分の限界を認めたくないだけだったのだ。