それは仕様です

さてと。
今回槍玉にあげてしまうのは、不思議な「仕様」についてである。
まあ、そこを槍玉にあげったって、建設的でないのは知っているのだが、
私だって、たまには憂さ晴らししたいのである。
無理やりの意義を見つけると、「仕様」なんだから、広く開示しても益にこそなれ、
困る話ではないよね、というところだろうか。
(いや〜無理やりだなあ・・・)


最初に開発側やOSS(SAPのサポート部門)の弁護しておくと、そもそもR/3は肥大化してしまっていて、
システムの改修には、非常に大きな手間がかかる。
あちらをたてればこちらがたたず、ドミノ式の修正が必要になってしまっているオバケなのである。
しかも、サポートパッケージのレベルが顧客ごとに違うため、顧客の数だけ状態の違うR/3が
世界には存在すると言っても過言ではない。
勢い、なにか問題が発生した場合は、その顧客の環境にログインして調べるしか、
最終的に手がない、という状態になってしまう。
そのような状況の中で、せっせとサポートをやっているOSSの皆さんだとか、
開発の皆さんは、大変ご苦労さまなのである。


とはいいながら、サポートを受ける私たちにしてみれば、
「なんじゃそりゃ?」
という話は結構あるのである。
まあ、今からの話は、枝葉末節の話ばっかで、R/3の価値自体を下げるものではないのは、
読んでもらえばわかっていただけると思うし、がんばっている皆さんには悪いけど憂さ晴らし。
それは仕様です」シリーズ、はじまりはじまりぃ。


その1.減価償却費の発生
これは、かっなり有名な話なのだが、実はR/3の固定資産モジュールが計算する減価償却費、
小数点以下の金額を四捨五入するのである。
で、これを小数点以下切捨てにする方法を・・・と、問い合わせると、
それは仕様です
大抵の経理部の人は、これにエキセントリックな反応を見せる。
【代表例】
「法定以上の償却をしてはいけない、と、日本の法律にあるじゃあないかあ!!」
「そもそも切り捨てにできないっつうのは、俺らをばかにしとんのかあ!!」
うーん、経理部細かい・・・
ちなみに、SAP社の見解によると、ここで1円2円狂ったところで、税務上問題がないことは、
東京国税局に確認済みなんだそうである。
ただ個人的には、なんか簡単に直りそうだし、みんな文句言ってるのがなくなるんだったら、
対応してくれてもよさそうなのにな〜と思う一件である。
(けど、これを枝葉末節っていったら、また経理部の人に怒られるのかなあ・・・)


その2.セントラルメッセージの怪
出庫の取消をするトランザクションのお話である。
このトランザクション、転記日が指定できるようになっていて、もう締まってしまっている期間を
指定すると、「転記可能期間はxx〜xxです」という、非常にまっとうなエラーを、
選んだ明細が1明細だけのときには返してくる。
じゃあ、2明細以上選ぶと、どんなエラーがかえってくるのか?
「セントラルメッセージ処理中にエラーが発生しました」
しかし、この現象も、
「違う事象が発生し、違うメッセージを返している」という「仕様」なんだそうである。


その3.内部単位って言われても・・・
収益性分析には、外部データ転送という機能がある。
これを使って、数量データをUploadしようとしたのだが、「単位」のチェックで落ちてしまう。
なんでかな〜と、必殺標準ソースコード追いをしたところ、単位を内部単位に変換せずに、
直接エラーチェックしているものだから、エラーになっているのであった。
ということで、OSSに問い合わせると・・・
それは仕様です
内部単位ってのは、ユーザの目に触れないから「内部」なのであって、それを「外部システム」で
変換しなきゃいけないの?


気が向いたら、第二弾をやることにしよう。