たこふじ いわゆる「販売・仕入管理システム」

たこふじの現時点での「原価」の測定方法は、以下のような手順である。


・月中は、「買った」実績だけを集める。
・月末に、月初の在庫金額・数量と、仕入れた在庫金額・数量を全部足しこみ、平均単価を求める。
・今ある在庫数量に、その単価を掛け、月末在庫金額を計算する。
 儲け = 月初在庫金額 + 仕入れた金額 − 月末在庫金額
を、原価とする。


この手順を含む部分をシステム化し、販売・仕入管理システムを作ってみよう。


まず、売り側は、レジと連動させて、売上実績を自動登録する。
仕訳は、
 現金 / 売上
である。初期段階で管理会計の基準として、「時間」「客層」を入れることにしたので、
もうちょっと厳密に書くと
 現金 (金額) / 売上 (金額) (時間) (客層)
というような、登録方法になる。 


買い側は、仕入れ都度登録する。
普通、この段階になると、仕入側は現金買いではなく、掛け買いになっているものだが、
まだ現金で払っていることにしよう。
早く信用をあげるのだ、たこふじ!!
 仕入 / 現金
月末の在庫処理を考えると、仕入高は、モノによってわけておく必要がある。
コーラとジャガイモの区別をせずに、1個あたりの金額を計算するのは、あまりにも粗い。
 仕入 (金額)(数量) (モノ) / 現金 (金額)
という登録方法になる。


さて、月末の原価の確定である。
必要なデータは、品目ごとの当月仕入れデータと、前月の在庫残高である。
棚卸の結果数量を月末に入力することにすると、全部システムで自動計算できる。
システムのロジックは、
・品目ごとの当月仕入れデータと前月の在庫残高を品目ごとに足しこむ。
・金額/数量 で、単価を求める
・求めた単価x入力された棚卸数量で、月末在庫金額を求める。
である。
起こす仕訳は、
 前月在庫残高振替 (金額)(数量) (モノ)/ 前月在庫残高 (金額)(数量) (モノ)
 当月在庫残高 (金額)(数量)(モノ)/ 当月在庫残高振替 (金額)(数量) (モノ) 
である。(もしかして、勘定は違うかも・・・少々専門外である。違っていたらご指摘をお願いする)


これで、「販売・仕入管理システム」のできあがりである。
こういうシステムを作っておけば、
・売上/仕入を発生都度入力できます
 今回たこふじは現金商売なので、レジと連動させたが、掛売りをするほかの業態だと、
 請求書を作成するついでに、上記のような売上データを作成することになる。
 そうすれば、請求書を作成し、会計データも登録する、ということはしなくてすむ。
・入力した売上/仕入データの分析ができます
 事前に切り口の設定が必要だが、入力すれば分類可能である
・月末処理の業務負荷軽減が実現できます
 手書き帳票で在庫金額を電卓で計算するのに比べれば、かなりの手間の削減である。
という売り文句になるのである。


実際、いわゆる「オフコン」で開発されているシステムは、大抵こうなっている。
在庫金額の調整ができるように、月末在庫金額まで入力できるようになっているものも、けっこう見かける。
たこふじオーナーの私としても、魅力的なシステムだ。


では、SAP R/3ではどうなっているのか。
実は、まったくこの「業務」とマッチしていないのだ。
FIT/GAP分析なんかやった日には、まったくあいません、という結果になるわけである。


へ?一般的な業務は全部網羅されているのではないの?
という、ごもっともな疑問には、別の日にお答えしよう。