たこふじ 在庫の発生と月末締め処理

たこふじは、順調に売上を伸ばし、結構な店舗が持てるようになった。
店内に座って食べれる場所を設け、セットメニュー・ドリンクの販売も行いはじめた。
たこ焼きを焼くのも、自分だけではなく、2人で交代で焼けるようになった。
レジ係には、うら若き女性を配置し、彼女のスマイルが、店の雰囲気をさらによくしている。
(かなり勘違い文章になっているが・・・まあ、妄想のなかの話だから、許してもらおう)


さて、今回は「原価」について考えてみることにしよう。


前回、なんでもかんでも一人でやっていたときの日々の「儲け」は、
 儲け = 売った代金 − 仕入れで払った代金
であった。
つまり、一日が終わった段階で残っていた現金が、「儲け」の金額というわけである。


ところが、セットメニューの中に入っているドリンクなどは、「売った」日と、「買った」日が違う。
たとえば、コーラを1本100円で100本仕入れたとする。当月使ったのが40本だとする。
会計制度では、「売った」日に、原価を発生させなさい、という基準を押し付けてくるため、
100本分の代金1万円を費用として計上するのではなく、使った分4000円のみを費用として計上し、
あとは、「在庫」という形で繰り越すのだ。


つまり、
 儲け = 売った代金 − 仕入れで払った代金
は、
 儲け = 売った代金 − 使った分の原価
という式に変わる。
これを、ある一日だとか、一ヶ月だとかという期間で計算することになるのだ。


ここで、「使った分の原価」をどうやって計算するのか、という問題がある。
はっきりいって、売れた都度計算するなんてのは、手間がかかってやってられないのだ。
基本的には、売れた数量に仕入れた単価を掛ければいい。上記のコーラは、そうやって原価を計算した。
しかし、フライドポテトにするじゃがいもなんて、仕入れ都度値段が違うのが普通だ。
「このフライドポテトに使っているジャガイモは、100gxx円で買ったもの」なんて、
どうやってわかるのだ??


なので、会計の世界では、「3分法」という、非常に便利なやりかたを考えだした。
つまり、最初にあったモノの金額に、仕入れた金額を足して、残ったモノの金額を引けば、
使った金額だよね、という方式である。


この方式の便利なところは、たとえば月ごとに帳簿をあわそうとしたときには、
月ごとに、今ある在庫を数えて、それの金額を計算すれば、当月の原価が算出できる点である。
要するに、「儲かったかどうか」を、毎日確定させるのはあきらめて、月ごとにすることで、
手間の軽減を図る知恵なのである。


つまり、この場合、以下の業務フローが最善となる。
月中は、「買った」実績だけを集める。
月末に、月初の在庫金額・数量と、仕入れた在庫金額・数量を全部足しこみ、平均単価を求める。
そして、今ある在庫数量に、その単価を掛け、月末在庫金額を計算する。
 月初在庫金額 + 仕入れた金額 − 月末在庫金額
を、原価とする。


世間の本には、在庫の評価額をどう決定するか、というのに、いくつかの方法が書いてあるが、
上記の業務を前提に考えると、採用されるもっとも一般的な方式は、月次総平均である。
上のやり方も、月次総平均で計算している。
一個づつ発注を行い、在庫数量が少ないようなものはFIFOも使えるだろう。
月中の買った実績をあつめ、日付の新しい順に在庫個数分の購入金額を足しこんで、
月末在庫金額を確定するわけである。


では日を改めて、この部分のシステム化と問題点を考えてみよう。