コンサルタントを目指す人へ・・・ネガティブ編

コンサルタントを目指す人と、結構会う。
就職活動をしている人もいれば、システム会社からのキャリアアップを目指し、コンサルタントを目指す人もいる。
ということで、そういう人たち向けに、コンサルタントという仕事を紹介してみよう。


コンサルタント」の仕事、というのは、なかなかに激しい仕事である。


たとえば、コンサルティングファームなんてところに、間違って就職してしまうと、1年目から
お客さんのところに行って、「コンサルティング」をしなければいけない。
こいつが、本当に大変である。


どこが大変か、というと、実際にやっている人は、たいてい労働時間について話をする。
いわく、土日も仕事を持ち帰って資料を作ったり、お客さんとの飲み会をしたあと、日付が変わってから
資料を作ったりするのが当たり前で、1年目・2年目を時給換算すると、マクドナルドのアルバイトと
いい勝負になってしまう、なんていう話である。
これは、真実である。

しかし、本当に大変なのは、時間そのものではない。
仕事を指示する人と、その評価を下す人が別であるために起こる、とんでもないストレスこそが大変なのだ。

普通の企業に就職すると、1年目・2年目なんていうのは、「何をやっていいのかわかりません」
「やることを教えてください」と言いながら、周りの誰かに仕事を教えてもらってやっていく。
それで、本人も周りも納得している。
ところが、コンサルティングファームというところは、そうは行かない。
「何をやるのか」の指示は、もちろんある。
ところが、それを「評価」するのは、その指示をした人ではなく、お客さんなのである。
これが、普通の企業の仕事とは違うところだ。


たとえば、「この課題に対する資料を作って」と、マネージャが言う。
普通の企業においては、この資料を作って、指示を出したマネージャに提出して、
その人の仕事は終わりである。
ところが、コンサルティングファームで仕事をすると、その資料をお客さんに対して
プレゼンテーションを行い、納得・了承をしてもらう必要がある。
つまり、「仕事」をするだけではなく、いきなり「評価」を第三者にゆだねる、ということをしなければならない。
これは、相当のストレスである。
特に、お客さんからケチョンケションに言われた上、その場で、
「違う人と代えてください」
と、言われてしまうと、今後の人生がなくなったかのような、絶望感が生まれる。
(あ〜俺も言われたなあ・・・S社のMさんに・・・)


要するに、「仕事の完了」をもって評価されるのではなく、「仕事の価値」をもって評価される。
いっくら「がんばりました」と言っても、評価はされないのだ。


このような特性を持っている他の仕事というと、営業の仕事くらいだろうか。
ところが、営業は、お客さんは「買わない」という意思決定はするかもしれないが、
よっぽどの下手を打たないかぎり、「2度とくるな」とは言わない。
ところが、コンサルというのは、お客さんは、すでにお金を出しているわけで、
お金に見合わない、と、感じたら、平気で「来なくていい」と、言うわけで、
営業の仕事に比べると、圧倒的に猶予期間が短い。


これを回避するには、ひたすら勉強するしかない。
自分よりはるかに年上のお客さん(しかも、多くの場合、その部門におけるエース級が投入されている)
を納得させるために、夜中といわず土日といわず、本を読み、相手が納得できる資料はなにか、
ということを考え、資料を作成し、プレゼンテーションの準備をし続けなければならない。
これが、「信じられない長時間の仕事」ひいては、「マクドナルドの時給」につながっていくのである。


ということで、いわゆる「コンサル」という職業の離職率は、とっても高い。
ストレスによって、体調を崩していくことも往々にしてある。
大体3年目くらいまでで、結構辞めていくのである。


システムを作る、という観点からは、SE/プログラマーという職業もあるが、こちらは、
「仕様」に対してモノをつくればいい、という点が違う。
自分の成果は、「仕様書」という指示に対して忠実であればいい。
うまく動かなくても、「仕様書に記述がない」「仕様がはっきりせず、修正ばかりだった」
などなど、言い訳には事欠かない。
仕事時間自体は、変なプロジェクトに入ると、結構どっこいどっこいの時があるが、
ストレスという観点から見ると、かなり差がある。


どうですか?
それでもあなたは「コンサルタント」をやりますか?


まあ、日を改めて、「コンサルタント」のポジティブな一面も書くことにしよう。