地方な夜

ふう・・・なんとか一息ついた。
昨日は荷物の搬入やら初日の挨拶やらで、かなりバタバタしてしまい、
今晩になって、やっと、このマンスリーアパートで一息つくことができた次第である。
まずは、PHSがつながってよかった感じである。


まーしかし、話には聞いていたが、なんにもないところである。
一番近くのコンビニまでは、歩いて15分。
嫁さんの目もないことだし、エロ本のひとつでも買ったろか、
と、思ったのだが、さすがに往復30分の道のりを
そのために費やす若さは、すでにないのである。
何はともあれ、かろうじて自動販売機で売っていたビールを開けるのである。
ふいー。しみいる。


しっかし、今度の仕事は・・・やっぱり大変だ。
7月10日にも書いた仕事なのだが・・・さらに変な方向に話が進んでいる。
工期は3ヶ月延びて、9ヶ月で導入(ゴールデンウィークの切り替え)になったのだが、
狂ったことに、1社への導入から、グループ会社である数社への導入に
スコープが広がった上に(「会社をコピーしたらそのまま使える」んだそうだ)、
まだ、「競争優位を確立するためのBPRを目指す」
という、これまた狂った看板はそのまんま。


しかも。
作業計画がまたなんというか・・・


例えば会計なんてのは、シェアードサービスの導入、なんて文言が踊っている。
じゃあ、当然、センターで集中してやるべき業務と、各社に残す部分の切り分けを
最初にやるのかなあ、と、思うわけである。
一般的には、この切り分けのアプローチは、センター化する部分を
「事務センター」と定義するのか「財務センター」として定義するのか、
そこから議論をはじめなければならない。
付加価値の小さい事務をまとめてセンター化しましょう、が、前者のアプローチ、
財務的には弱い子会社の対銀行折衝を、グループという大きな単位にまとめることで、
より優位にすすめましょう、というアプローチが後者で、
CMSの導入なんていうのは、このアプローチの延長線上だ。
その方針をベースに、センターでやる仕事と、各社でやる仕事を分けるのである。


ところが、作業計画は、フィットギャップ調査という名目で、
「回収方法はなにがありますか」
なんつー、質問票を作ってユーザに渡して書いてもらう、
まあ、そんな作業計画なわけである。
えっ?じゃあ、センター化する部分の切り出しの議論は??
「やっていると構築が間に合わなくなる」ので、やらないんだそうだ。
よく言えば提案書ベースの文言を、現実路線に修正した、
悪く言えば、営業が調子にのって書いたセールス・トーク
開発が苦労してやる義理はない、まあ、そういう論理なんだそうである。


ふん!と、ビールをもう一口。
これが、この詐欺的手法が、誰でも知っている某超大手ベンダーの、
ERP導入プロジェクトの実態なのだ。
しかし、こんな話は決して特殊ではない。
プロジェクトが変わろうが、ベンダーが変わろうが、
おんなじような話が、日本全国で量産されているのだ。
そりゃ、悪評もたつよ、実際。
んで、その悪評ってやつは、なんでか、「SAP R/3」っていう
システムが悪いことになってしまうんだよね〜これが・・・


さてと。
空になったビールの空き缶を、ビニール袋に放り込む。
じゃあ、これからどうしようか。
プランA:ベンダーの計画通りに動く
プランB:計画をひっくり返し、多少強引でも理詰めのプロジェクトに持っていく


まあ、損得考えたら、どう考えたってプランAだよね、そりゃ。
プランAとBを比べると、金銭的なリターンは一緒。
Bのほうがリスクが高いんだから。


ただまあ、そもそも、そういう納得のやり方ができるなら、
最初の会社もやめてないわけである。実際。
つうことは、あとは、いかに「穏便に」、こっちのペースに持っていくか、
その手の技術だけである。
とりあえず、「財務センター化」のアプローチによる、業務の切り分け案を
裏で作っておくことにしよう。
あとは、ぼちぼちタイミングを見て・・・である。