肩書きの効果 その逆説

ちょうど二日に一回の更新ペースになってしまっている。
まあ、最近二日に一回は飲んだくれているので、妥当と言えば妥当なのだが。


ということで、今日はもう一度「肩書き」について考察してみようと思う。
なんで、そんな気になったかというと、実は今、違う会社の名刺で活動をしているからだ。


業界をちょっとでも知っている人は、渡された名刺が、実は「フェイク」だということが、
ちょいちょいあることは知っていると思う。
つまり、協力会社から引き入れた人間に自社の名刺を渡して、これを使ってね、
というパターンが、かなりのケースである、ということである。
自分のところが責任を持って契約したのだから、彼(または彼女)のやることは、
自分のところの責任ですよ〜、という決意を、雇うほうの会社が明示する、
というのが、この習慣の一応の理屈付けである。
しかし、実際なにかあったとき、というのは、名刺がどっちであろうが、
商流を元にして責任がふっかかるし、それを回避しようとすると、
やっぱり何かやったヤツにふっかかるので、どのみちあんまり変わらないような気がするが。
まあ、かく言う私も、ご多聞に漏れず、複数社の名刺を持っていたりするのである。


で、今回は契約主の名刺で、活動することになったのであるが、
今回、その会社の名前と事業部のほかには、肩書きなしでの活動である。
そう、副肩書きの「ITC補」のみならず、ブログの題であるところの、
「SAP認定コンサルタント」すらないのである。
いや〜、プリセールスとはいえ、SAPの仕事をするのに、両方とも書かないというのは、
度胸がいいのか、考えなしなのか・・・
まあ、どっちゃでもいいのだが。


4月に、「SAP認定コンサル」という肩書きについて、ちょっと書いてみたら、
そのページだけにちょいちょいトラックバックがかかっていて、正直困惑した。
自分としては、それから後に続く、コンサルタントとしての基礎知識、
みたいなものが、なぜ必要か、という導入のつもりで書いたのだが、
前後なしであの話だけが取り上げられると、ちょっと気持ち悪いものがある。
が、その反応は、要するに、「実力もないのにコンサルなんて言うなよ」という、
世間の批判・・・というか、感情論・・・であった。
んじゃ、肩書きなしで、どこまでできるんかいなあ、というのが、
今回の興味および主題である。


とりあえず、サンプルケースは1回だけなのだが・・・
う〜ん?
余計な先入観をもたれないだけ、きちんと話を聞いてくれるような印象である。
SAP認定コンサルタント、なんて書いてあると、
「最新バージョンではどうなっているのか?」「ここの機能はあるのか」
だとか、実際のところ、
「んなのしらね〜よ!!」「もっと大きなところから話をさせんかい!!」
という、フラストレーションが溜まる会話になることが多かったのだが、
肩書きがない分、相手も私が技術系の人なのか、業務系の人なのかわからないから、
その位置付けをしたいがために、話を聞いてくれるようなのである。
当然、その雰囲気を察知した私は、すっきなことばかり話して帰る、という、
非常にわがままなことが可能になってしまったのである。


「話を聞いてくれる」ために肩書きは必要なのだが、「話を聞く」場になってしまえば、
肩書きなんて必要ないんだなあ、という、改めて超当たり前のことに気が付いた次第である。
うーん、ブログの題どうしようかなあ・・・
肩書きなしお君のつぶやきに変えようかなあ・・・
いやはや、予想外に心地いいのである。


しかし、よく考えてみると、要するに肩書きの「会社」の部分を見ているだけでは?
という疑念は残る。
今回のユーザ企業は、結構若い企業だったので、もしかすると、そんなの気にしない
社風だった可能性は、多分にある。
次に、いわゆる「歴史ある会社」に行ったときに、もう一回この点は考察してみることにしよう。