Netweaverという困惑 その3 ステージが違う

NetWeaver+ERP2004ってやつに対する困惑は、他にもある。
例えば、額面どおりに受け取ったとしても、複数システムをインストールしないと利用価値が
なさそうな、サービスマネージャなるもののインストールが必須(しかも、別サーバを立て、
単独でインストールすることを強く推奨らしい)であるなど、どうユーザに説明していいものか、
かなり悩む仕掛けが用意されていたりする。


んじゃ、これは「使えない」ものなのか?


うーん、どうだろう。
理想とするものは悪くない、正直なところ、そう思う。


ESAエンタープライズ・サービス・アーキテクチャー)なるものの、私なりの理解は、「情報の1個流し」である。
「複数のシステム」だったものを、「複数の独立したサービス」と捕らえ直し、それを共通化し、
プロセスの再設計をすることで、既存のシステム資産を使いながら、情報が流れるスピードを早くすることができる。
確かに悪くない。
ただ、現実のところ、前提となる「既存投資」をすでにしている企業は、どの程度あるのだろうか?
おそらく日本では、松下・SONYくらいではないのか?
(けっこうあてずっぽうで書いているが・・・)


日本は、ホストコンピュータからオープン系への乗り換えが、世界で一番遅れている国である。
今週号の東洋経済の特集によれば、世界で稼動しているホストコンピュータの数は1万8千台。
そのうち1万台が日本で稼動している。
さらに言えば、いまやおじいさんになってしまたAS/400をはじめとするオフコンの使用率も、
相対的にかなり高いと思われる。
(既存システムはなんですか?ACOSです、という会話は、相当な頻度で聞くのである)
今は、そこの乗り換え需要をつかみ、持ち株会社化した際の資金効率向上をメリットとした、
R/3による会計基盤確立+銀行サービスであるキャッシュ・マネジメントシステム
(三井住友ならCMS、東京三菱ならトレジャリー・ステーション)とのセット導入をまず提案し、
セカンドステップとして、ロジスティクス導入+BW導入を行い、実行系をしっかり固めたあと、
NetWeaverという開発環境を使った、ERPと作りこみシステムとの統合、もしくは、APO/CRMへの
展開を考える、というストーリーを提案したいわけなのである。


ところが、そのストーリーはもう古い、とばかりに、複数サーバー前提の仕掛けをプッシュされても、
困惑は深まるばかりなのである。


うーん、今は将来像を提示しつつ、「将来いりますから」と、サービスマネージャの導入を納得してもらい、
ERP2004の導入プランを書くしかないか・・・
そう自分を納得させる、今日この頃である。