思考停止のリクルーター

ず〜とプロジェクトマネジメントの話を書いていて、急に話題が飛んでしまうなあ、
とは、思うのだが、しかし、書かずにはいられなくなった。


まあ、最近インターネットを利用しての就職活動が一般的なのは、私も知っている。
しかし、どこそこの掲示板で見る、
「〜という問題が出ました。教えてください」
系の書き込みは、正直ため息が出る。
まあ、今の教育というものを考えたときに、仕方ないとは思うものの、
「調べて答えを出す」ことしかできないようでは、すくなくとも突き抜けた人材になることはないだろう。


どうしようもない事実がある。「調べて答えを出す」ことは、時間さえあれば誰にでもできる。
他者への競争優位として確立することはできない。
では、どういう能力が必要なのか?
自分はどう考えるのか、ということを表明し、その根拠を示す能力こそが必要なのだ。
どう考えるか、を表明するから、その中身に対して評価が生まれ、競争優位が発生するのだ。


たとえば、この間見かけた質問に。
「あなたが新しいシステムを作るなら、どんなシステムがいいか、という問題がでました。
どんなものがあるでしょうか。教えてください」
というものがあった。入社試験に出た、とまで、明記されていた。
で、まあ、案の定、個人情報保護法に基づくシステム開発だとか、双方向メディアを使ったシステムだとか、
そんな書き込みが入っていた。
これを、このまま書いて出す気だろうか??


もうちょっと考えてほしい。
たとえば、個人情報保護法は、なぜできたのか、なにを狙っているのか?
単に情報の流出を規制するならば、そもそも個人情報の保持自体を禁止すればいいではないか。
しかし、そうはなっていない。
それはなぜか?
当然、保持自体をなくすと、不利益があるからだ。→(自問の答え)
その不利益とは?
直接的には、誰が・何を買ったのかがわからないと、代金を請求できないからだ。
もう少し踏み込むと、個人情報を企業が持つことで、より細やかなサービスが可能になり、
結果として消費者の利益も生んでいるからだ。→(もう一段階上の自問の答え)
少し前までは、王侯貴族の特権であった「便利屋(コンシェルジュ)」を、ITが一般レベルまでおろしてきたのだ。
この利点は、保持しなければならないと考える。→(自分の意見)
だから、この利点と、悪用の弊害をなくすことの両立をめざし、システムを考える。
このくらいは考えてほしい。



ただ、まあ、現在の日本の教育では、これは望むべくもないのだが・・・