いまさらながら:パッケージで統一!は、是か非か その1


勝手に立ち上げるいまさらシリーズ。


タイミングよく、久しぶりに提案活動をやったところに持ってきて、だれおさんにかまってもらったので、パッケージでシステム統一、なんてのはなりたつの?なんて、大きく出てみようかなと思う次第でございます。



そもそもの話・・・ERPパッケージだけで業務はOK!!は成り立つのか?

いや、成り立つと思いますよ、本当に。


当然、メールとかワークフローとかはともかくとして、という前提であるんですけれど、主力の商売ってのはひとつで、商売の形態がいくつもあるわけではない、という状態なら、基本的にERPだけで、業務はまわせるんじゃないか、と。


もちろん、商談のパイプライン管理したいね〜とか、ウチはサービス業で、人員のアサインを自動でやりたいね〜みたいな話だと、単品では相手にならないだろうな、とは思いますが、大抵は大丈夫。それこそ、「なんでできないんでしたっけ?」って感じ。


つい最近、「ERPでは対応の難しい要件は、WEBシステムを作り、そこで吸収!!」というお題目のプロジェクトを見かけたんだが、そこの企業、主力の商売はひとつしかなく、別に商談のパイプライン管理みたいなお題目もない。「?」と思って、「ERPでは対応の難しい要件は、WEBシステムを作り、そこで吸収!!」の中身を追っていくと、実は単に現場のUIへの要望に答えれるように、外だしで作りますよ〜って話だけだった、なんてオチだったのがありまして。パッケージに合わせる気がないなら、パッケージ入れるなんて言わなきゃいいのにな〜なんていう、典型的な例だったりするわけです。
こういう感じの、ストレートに言ってしまうと勘違い(「この門をくぐるものは、すべての望みを捨てよ by だれおさん)をしなければ、パッケージ導入って、すごく意味のあることだと思うわけですよ。


ただ、自分の商売の主戦場である、SAPだったり、Oracleだったりの、バカ高いパッケージってどうなのよ?という話はあるわけです。もっと軽い、もっとストレートに言うと、もっと安いパッケージ、いくらでもあるんじゃない?なんて思うわけで。親会社が一括でライセンスを買っていて、それを流用できる、なんて特殊な状況でなければ、安いので十分だよな〜と、私自身も思います。昨今はSaaSなんてのも流行らしいけど、そいつについては、またちょっと別に考えるとして。



複数の国に拠点がある場合・・・統一システムのメリット

じゃあ、どういうときに、SAPとかOracleとかほしくなるかなあ、と、思うと、複数の海外法人がある、という状態だと、やっぱりSAPとかOracleとかほしくなってきちゃいますね。


まず、前提として、複数の国で同じシステムを使いたい!という視点は、業務観点でも結構あったりするわけです。特に、サービスのセンター化を行う余地のある業務で大きい感じです。


最初に会計のお話でいけば、できれば会計関係のグローバルサービス、みたいなのをやりたくなるわけですよ。例えば、入金消し込みであるとか、支払であるとか、そういう業務は経理サービスセンター見たいのを作って、複数の海外法人まとめて面倒みちゃいますよ〜って感じで、コストダウンだぜ!!というのが、経営者の考えることだったりするわけです。


購買、生産といった部分も、作っているものが一緒なら、特に違いはないかな〜というところ。どころか、製造プロセスや、購買プロセスが標準化されれば、他国比較で、無駄っぽいところが分かりやすくなったり。まあ、大量生産バッチ主義でどんどん作れ、というところと、需要ドリブンで少量生産、というところが、国によって変わってくる、なんて話はあるかもしれないんだが、製造指図さえ出てしまえば、それに基づいて生産、資材の消費に基づいて発注、というプロセスに、そう大きな差が出るわけではなく。


メリットとしては、購買関係は、やっぱりセンター化ができる。購買センターで発注かけて、受け入れだけ、各拠点で。製造プロセスが標準化されていれば、原価構造の分析も基本的には同じで、複数国での対比が容易。人材の点でも、ある工場の工場長を、別の国の工場立ち上げに派遣、と、いった場合でも、同じシステムから同じようにレポートが出るわけで、少なくとも使い慣れないシステムで、数字を読むのに四苦八苦、という事故は起こりにくい。


つまり、複数の国のオペレーションを一箇所でサービス化したり、基本的に同じようなモノを作っている工場が複数の国にあったり、という状態だと、同じシステムで動いているほうが、コストダウンという営業トークだけではなく、ちゃんとした実利はあるんじゃないか、そう思うわけですよ。



バカ高パッケージの出番

で、じゃあ、同じシステムで行こうというのはわかった。それなら、具体的には自社開発するのか?パッケージで行くのか?パッケージで行くならどのパッケージだ?という話になると、SAPさんやOracleさんがご登場なさいます。


自社開発、というオプションは、とりあえず無条件でさよなら。だって、APとDBを分割してスケールアウトをうまくしましょうとか、セッション管理をちゃんとやりましょうとか、そんな足回りから考え実装できる技術があるんなら、とっととその技術を売りに行けばいいんです。大抵は、そんな部分を丸抱えなんてできないから、パッケージになるわけですな。


じゃあ、パッケージで行きましょう、となったときに、当然のことながら、日本語しか対応していない、だとか、外貨が扱えない、なんてパッケージは、無条件で候補から外れます。
その条件を満たしていればいいか、というと、今度はグローバルシェアみたいな話が出てくる。要するに、マイナーなパッケージ使うよりも、名の通ったパッケージ使ったほうが、使ったことのある人が多いので、人を集めやすいわけ。そうなると、今残っているメジャーパッケージといえば、SAPかPracleかぐらいしかないわけで、そうすると、まあ、そっち使っておこうか、という話になりがちな感じでございますね。


ちょっと長くなったので、「統一なんて考えないほうがいいんじゃね?」ネタは、次回にでも。